無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。


女の子たちはバカにしたように笑う。

客観的に見て、私が地味で善に似合わないのは百も承知。
最初からこの気持ちが恋だって信じられなかったし、善からのアプローチもわからなかった。

私が1番わかってるから、他の人にどうこう言われたくない。

……それでも、こうやって目の敵にされるのは覚悟していた。
モテる人を彼氏にするということはこういうこと。
善の彼女でいるなら、想像以上に忍耐強くないと無理なのかもしれない。



「とりあえず、別れてくれる?」



腕を組みながらさらに威圧をかけてくる髪の長い女の子。



「ねえねえ、私たちの話聞いてる?」

「……」

「無視はよくないって習わなかった?」

「別れません」

「は……?」

「この先、こうやって何回も脅されたとしても別れません」

「はぁ⁉︎」