無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。


ガラッと大きな音を立てて勢いよく開いた保健室の扉。
数人の歩く足音がだんだんと近づいてくる。



「えー、ほんとにここにいるのぉ?」

「さっき柊木くんと保健室に入るところ見たって言ってたもん」

「名前なんだっけ? わかな? 顔も知らないっつうの」



もしかして、私を探してる……?

そうわかった瞬間、動悸がしてきて手汗も出てきた。
まさか、病人が寝ているかもしれないベッドまで探さないよね……?
なんて安易に考えていると……私のベッドを囲むカーテンが勢いよく開けられた。
そこには神の明るい……派手なタイプの3人の女の子が立っていた。


私を見るなり睨みつけ、「若菜凛李ってあんたのこと?」と真ん中に立っている髪の長い女の子。
「そうです」と答えて、私はとりあえず上半身を起こした。



「こんな地味女が柊木くんの彼女なの?!」

「ウソでしょ? 柊木くんなにか弱み握られてるんじゃないの?」