無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。


「んーと……まず状況を確認してもいいかな?」



目に飛び込んだ情報がありすぎたのか、保健室の先生は頭を抱えながら私たちに近づいてきた。



「まず、あなたはなんでこんな血だらけなの?」

「ドッジボールをしていたらボールが鼻にあたってしまい、大量の鼻血が出てしまいました」

「……なるほど。それでこんなに血だらけなのね。少しベッドで休んでなさい」

「はい」

「それで、柊木くんはどうして服を着てないの?」

「鼻血を止めるのに使いました」

「へぇ、優しいのね」



善の名前を知ってるってことは、善はもしかして保健室の常連とか……?
クラスがちがうから知らないけど、サボるときにここに来てるのかもしれない。
そして、さっきから保健室の先生が善のことをジッと見ている気がするんだけど……気のせいかな。

私は言われたとおりにベッドで横になってることにした。