まだみんなも半信半疑なのか、予想していたよりは女の子たちから非難されていない。
ーーしかし、それはその日だけだった。
次の日の球技大会。
私と紀衣ちゃんはくじ引きでドッジボールに出ることになったので、体操服に着替え校庭へと向かった。
同じ学年でトーナメント方式で戦うことになっていて、さっそく私たちE組はD組と対戦することになった。
……まさかの、善のクラス。
男女別だからか、女の子たちから殺気を感じる気がする……。
「若菜凛李ってどの子?」
最初にあいさつするときに、はじに立っている女の子がそう言ってきた。
「私です」と私が答えると、その子は私のことを頭から足の先まで舐め回すように見たあと鼻でフッと笑った。
案の定、私は集中攻撃を受けた。
運動がまったくできないのでボールを取ることはできないが、避けることは得意中の得意だ。



