「あの写真、わざわざあいつが写真撮って黒板に貼ったの?」

「善の教室にも貼ってあったの?」

「うん」

「じゃあ、そうだろうね」



会話をする私と善におどろきを隠せない様子の女の子は口をあんぐりと開けたまま……善の顔を凝視した。



「若菜さんが柊木くんと付き合ってるって冗談を言い出すんだけど、うそだよね……?」

「うそじゃないよ」

「……え……」

「凛李と付き合ってる」

「……」

「俺のかわいい彼女、よろしく」



善はそう言って、カフェでよく使う営業スマイルを女の子に向けて、そのあと「うわさは本当だって誰かに言ってくれる?」と口にした。