「寂しくないわけないでしょ……」

「それならさ、1個聞いてもいい?」

「うん、なに……?」



瑠月はソファに座る私のほうを向き、神妙な面持ちで口を開いた。



「塾の帰りにいつも同じ男の子と帰ってくるよね。しかも家の前まで送ってもらってるよね。どういうことなのか説明してもらってもいいかな?」

「……」

「今日はそれを聞こうと思って刀夜も連れてきたの」



瑠月にトラウマのことを話したことはない。
だから、秦くんのことも知らないだろう……。

塾が終われば必ず私のとなりをピタッとくっついていっしょに帰ろうとする秦くん。
勉強の話なら私が食いつくと知ったとたん、勉強の話ばかりしてくるようになった。

私も好きなものの話になると周りが見えなくなる傾向があるため……気づけば塾終わりは必ず秦くんと帰ってきていた。


それを、たまたまデートしていた瑠月と刀夜くんが目にしたらしく……その後も部屋から外をのぞくと私と知らない男の子がいっしょに帰ってくるところを見たため、瑠月は居ても立っても居られなくなったらしい。