無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。


「まだ途中だぞ!」と叫ぶ秦くんを無視し、私は善に腕をつかまれたまま家の中へと入ることになった。
私が付き合っていることをバラしたくないって知っているから、バラそうとしたわけではないんだと信じているけど……。
それにしても、今日は冷や冷やさせられてばかりだ。

でも、秦くんの挑発にのらずに我慢してくれた善には本当に感謝をしなければならない。



「善、いろいろとごめんね……」



リビングにいたお母さんに帰ってきたことを知らせてから私たちは善の部屋で少し話すことにした。



「ん? 凛李が謝ることなんてないよ」

「でも……あんなにあからさまに善が怒るようなことばかり言って失礼すぎる」

「俺は気にしてないよ。あいつの勝手な想像でしょ」

「……うん。でも、善にまで迷惑をかけて申し訳ない……」

「迷惑じゃない。俺は凛李とあいつがいっしょにいるほうがいやだし、凛李にもう傷ついてほしくない」