ーートントン。
部屋の扉を叩く音が聞こえ、そのおかげで私は我に返ることができた。
しかし、扉を開けると目の前には予習を妨害してきた原因である張本人が立っていた……。
「どうしたの?」
ついさっきまであなたのことを考えて勉強が手つかずだったことは絶対にバレたくない。
なので、全力で平然を装おう。
ーーその結果、私の声は裏返ってしまった。
「頼みたいことがあって……けど、凛李大丈夫? なんか顔が赤い気がする……」
「だ、大丈夫っ。それより頼みたいことってなに?」
「……あぁ、服脱がしてほしいんだよね」
「……へ?」
服を脱がしてほしいって、なにそれ。
どんな頼みごと……?
今善が着てる服を私が脱がすの……?
10秒くらいだろうか、その短い間に一気に考えた。
それでも意図がまったくわからない。



