「キスなら……いいよ」

「キスなら、ね。わかった」



なんだか意味深に繰り返す善に、少し疑問を持ちながらも……善に腕を引っ張られて、私はあっという間に善の脚の間にハマった。

膝立ちで至近距離の善のことを少しだけ見上げてみたが……心臓の音が大きくてどうにかなりそうなのですぐに視線を落とした。


善の細くて長い指が私のあごに触れる。
自動的に善と目が合う形になり、こうなってしまえば抵抗しようとも思わなくなる。


静かに唇が重なり……触れるだけですぐに離れた。

これだけ……?
なんて、恥ずかしいことを思ってしまった私。

そんな私の心を読めるのか、善はまたすぐに唇を重ねてきた。
……今までと違う、と瞬時に悟る。

角度を変えて唇をはさむようにキスをしてくる善。
私の息はだんだんと荒くなっていく。


善はキスを続けながら私の脇を持ち、そのまま私を軽々と持ち上げソファに座らせた。