さすがにキスしようとしてるのバレた……?

焦った私が急いで離れようとすると、善が私の腕を力強く引っ張ってきた。
そのまま引き寄せられーー私は上半身だけ善の上に乗る形に。

私の顔のすぐ横には善の顔があり、私を逃さないためなのか、腕をつかんだまま反対の腕は私の背中をがっしりと抱きしめる。


恥ずかしすぎる……こんなところを見られてしまうなんて……。
口から心臓が飛び出そうだ。
それほど恥ずかしい。

いっそのこと、この場から消えて空気になってしまいたい。



「なにしようとしてたの?」


私の耳元で響く善の低い声。



「別に、なにもしようとしてないよ……」

「へぇ……」

「それより、腕離してほしいんだけど……」

「なんで?」

「なんでって、こんなところお母さんに見られたら……」

「凛李がさっきしてたのは見られてもいいんだ?」

「……っそ、それは……」