無気力なあざといくんは真面目ちゃんを離してくれない。


冷たい善の指が私の涙に優しく触れる。



「私だって、善がいいよ」

「……」

「峰本さんじゃなくて、私のそばにいてほしい……っ」

「……」

「私、善のことがす……」



善への想いを箱の中に閉じ込めていたから、その鍵が外れた瞬間一気に溢れ出したのがわかった。

それはもう自分で止めることはできなくて、次から次へと言葉になっていく。


"好き"とーー言おうとした。
まさか、私が誰かにこの言葉を言う日がくるなんて。

だけど、最後まで言う前に私の唇はあっという間に善に奪われてしまった。



「ごめん。待てなかった」

「ま、待てなかった……?」



もはや私にはキャパオーバーだ。
なにが起きているのかまったく理解できない。

今のって……キス、だよね……?