「あ~、わかるかも。二次元しかり、三次元しかり」

「そ、そうかな……」

「てか、陽菜子教室でもすごい勉強してるじゃん? そりゃ、マンガ同好会のためでもあるけど……、岸会長のためでもあったりして?」

 ニヤニヤ笑うアキを、軽く叩く。
そのうちに授業のチャイムがなって、先生が入ってきたけれど。

(せっかく教えてもらってるんだもん、ムダにしたくない、って思うのは普通のことだよね?)

 うん、きっと正論。でも、夢のなかの会長が頭をよぎって。

 いろいろ考えて一人で赤くなっていたらしい私は、先生にとても心配された。





放課後は生徒会室で、書類のホチキス留めを手伝わされた。
単純作業で、手を動かすだけなんだけど……。

「seek」

「……求める」

「spend」

「つ、費やす?」

「suppose」

「……支持する?」

「違う、それはsupport。supposeは「だと思う、仮定する」だ」

「そうでした……」

パチン、パチンとあちこちで鳴るホチキスの音と共に、会長は容赦なく英単語の問題を出してくる。