「そう……なのかな?」

「そうだよ~、陽菜子の部屋で二人っきりだったんでしょ? 本当に会長にキス、されてもなにも言えないよ!」

マンガみたい! とさわぐ二人は、どう見てもおもしろがってる。
確かに、昨日はいろいろあって密着しちゃったりしたけど……でも会長は少し赤くなったぐらいで、なんでもない様子だったけどな。

「ちょっと~……、大きい声で言っちゃダメだって。それより、マンガはどんな感じ?」

「え、陽菜子のネーム待ちだよ?」

「あ。そっか……」

 大まかな話を考えるのは私の役目だもんね。
でも、正直、最近は勉強に生徒会に忙しくて……それどころじゃなかった。

「でも、来週テストだもんね。本格的にやるのは、その後にしようよ」

 アキの言葉に、どこかホッとした自分がいた。
今は、「テストで少しでもいい順位をとりたい」っていう気持ちが大きい。

「……夢にでてきて、好きになっちゃうことってあるよねぇ」

「え?」

 ミナミがそんなことをボソッとつぶやくから、話題はまた会長のことに戻ってしまって。