「自力でマンガアニメ同好会を守るには、陽菜子ちゃんが生徒会に入るしかないね。一年生なら、庶務に立候補するのが一番確実かな」

夏休み明け、九月の生徒会役員選挙。
そこで現三年の岸会長や川西副会長は引退する。

そして十月から、選挙に当選した二年生を中心とした新メンバーによる新しい生徒会が発足するらしい。


「庶務は一年生の中から男女各1名。他に立候補する女子がいなければいいけどね」
「あ、あの、わたし……」

「やる」なんて一言も言ってないのに、川西先輩は楽しそうに説明してくれる。
うろたえてるわたしを見て、岸会長が言った。

「……そもそもお前、成績は」
「へ?」

「成績はいいのかよ? 学年で何位ぐらいだ」

「え、えっと……その……」

……とてもじゃないけど、言えない。
高校生になって初の中間テスト、学年二百人中、……百七十二位だったなんて……。

「まさか半分より下?」
「……」

黙った私の反応で察したのか、岸会長は席を立った。

「この話は終わりだな。川西、行くぞ」
「なっ、ちょっと待ってください……!」

ここで引き下がったら、本当にマンガアニメ同好会は廃部だ。