「ム、ムリです! 生徒会なんて、ムリ‼︎」

考えただけで、冷や汗が出た。
自慢じゃないけど、わたしは今まで、なるべく目立たず、ひっそりと過ごしてきた。
クラス長や生徒会なんてものにはむいていない。

「じゃあこのまま黙って廃部だね」

「そもそも、たいして活動もしてないのに部を残そうとするその精神が理解できない」

「ほら岸くん、そういうひどい言い方しない! イメージ悪くなるでしょ」

「……別にもういいだろ、もうコイツにはバレてる」

「か、活動なら……。作品を仕上げて、今度、コンクールに出す予定です」

恐る恐るそう口にすると、二人とも私を見た。

「へぇ。もし賞がとれたら、活動実績になるってことか……。でも、そういうのって、すぐ結果が出るわけじゃないんじゃないの?」

「え……」

川西先輩の言葉に、ガンって頭を殴られたような衝撃。
確かに、今から作品を作って漫画賞に応募したとしても、結果が出る頃には同好会は……。


「お前、もしかしてアホなのか」
「‼︎」
岸会長の遠慮のない物言いに、顔が熱くなる。

「ちょっと岸くん……そんな、ハッキリ言っちゃダメだよ」
(な、何この人たち……)

川西先輩も川西先輩で、ある意味言葉の暴力だ。
二人とも、敵かもしれない……。