すると、ひかりちゃんは少し頬を染めて、

「陽菜子ちゃん、わたしと友達になってくれないかな?」

と言ってきた。

(え……そんなこと?)

なにか企みがあるのか、長沢先輩に言われて、わたしに近づこうとしてるのか。
自意識過剰かもしれないけど、そんな悪い考えばかりが頭をよぎる。

でも……。

「ほら、ここで話せたのもなにかの縁だと思うし、まだ短い時間だけど、わたしは陽菜子ちゃんのこと、好きだなって思ったし……」

目の前のひかりちゃんの、少し照れたような表情からは真剣さが伝わってきて。

気づいたら、
「わたしでよければ、もちろん」
と、返事していた。

わたしの言葉を聞いたひかりちゃんは、まるで飛び上がるみたいに喜んで。

「嬉しい! わたし、普通科に友達いなかったから、陽菜子ちゃんが第1号!」

そう言って本当に嬉しそうに笑った。

(そんなに喜ばれると、こっちまで嬉しくなるよ)

まだ短い時間だけど、彼女から悪意は全く感じられない。

それにわたしも、別の学科の友達ができるのは初めてだ。

「勇気出して言ってみてよかった……! あ、でも、陽菜子ちゃんも生徒会庶務に立候補するんだよね?」

「うん、たぶん、だけどね。って、……え?」
ひかりちゃんの言葉の一部に引っかかって、首をかしげる。

陽菜子ちゃん「も」?