「なんだ、そんなの……。存続させてあげればいいじゃん、岸くん」
「‼︎」
口元に手をあてながらそう言ってくれた川西先輩が、神様か何かに見えた。
今日限りで腹黒生徒会長のファンなんか辞めて、川西先輩のファンクラブに入ろうかな……!
「何言ってんだ。マンガアニメ同好会の廃部を決めたの、お前だろ」
「あれ、そうだっけ?」
(え……?)
会長の指摘にあはは、と笑う川西先輩を見て冷や汗が出た。
神様に見えていたのが、一瞬で悪魔に見える。
「まぁ、俺たちは生徒会規則に則って、廃部を決めたわけだしね。悪気はないんだ」
「う……」
申し訳なさそうに眉を下げて、こちらを見る川西先輩に、何も言えなくなる。
やっぱりこのまま、泣き寝入りするしかないのかな。
「……そんなに言うなら、お前が生徒会役員になればいいだろ」
と、それまで黙っていた岸会長がつぶやいた。
その目は、真っ直ぐ私を見ている。
「ああ、それならチャンスあるかもね。役員になって会議の議題にすれば、次の生徒会メンバーによっては廃部の期限も延びるかも」
川西先輩も、ナイスアイデアというように笑っている。
生徒会。わたしが、彼らのように、人前に立ってー……。
