「えー、密度の求め方は質量÷体積だ。これぐらい、暗算でいけるな。んー、鈴川!答えてみろ」

…は?え、ちょ、まて。

鈴川って俺?

当たり前だ。

鈴川って苗字、このクラス俺しか居ないし。

う…。暗算は得意だけど

どれを解けばいいんだ…?

黒板には数え切れないほどの計算式があった。

てか、密度って中学生でやるもんだろ?

なんで、高2になってまでやんだよ…

「は…い…」

俺は曖昧に返事をしながら、アイツに目配せした。

アイツは呆れたようにため息をついて、

「30÷2」

と、小声でボソッと言った。

「15です」

「あぁ、そうだな。では…」

教師が喋り始めて、俺はありがとうと口パクでアイツに言った。

そしたら、アイツにジトっとした目で見られてしまった。

さて、これはプロローグ。
これから本当の物語だ。
準備はいいかい?