Young days

家の外でそんな事が起こってるとも知らない流唯は、部屋のソファーで寝落ちし、耳元で鳴ったアラームに驚き飛び起きた。

『はぁ〜ッ。マジ心臓出るかと思った…。なんのアラーム……あっ!』

流唯は思わず部屋のカーテンを覗いた。
明かりの漏れる伊織の部屋。

『…あっぶねぇ〜。アラーム様々…ってか俺様々だなぁ〜。』

流唯はクローゼットから去年、自分の誕生日にもらった100円ショップのバースデーハットを引っ張り出した。

『コレコレ〜。』

それを被ると、全身鏡の横のカレンダーが目に止まった。

『1日あるけど、まっ、いっか。』

流唯はそれをめくると、その裏に花火大会で配られたうちわに沿ってシャーペンでなぞった。紙を二つ折りにすると、うちわの形にハサミを入れた。のりが見当たらなかったので、秀晴に束で貰ったolu'oluのステッカーを使って代用し、うちわに紙を貼り付けた。

【23:58】

まず、片面に黒マジックで

"いおり 
オメデトウ"

と書き、もう片面には

"オレが
ナンバー1"

と書いた。1分前…カーテンの前に立ちスマホが"0:00"になるのを待って勢いよく両手でカーテンを開いた。

『伊織〜ッ!たんっ………。って、時計見てねぇ〜のかよ…。』

閉められたままの伊織の部屋に向かって、流唯は窓に映った自分を恥じた。

『時計ズレてんのか?アイツの部屋。』

そう言って窓を開けると、そのまま伊織が出て来るのを待って5分が過ぎた。

スマホの時刻を確認する流唯…。

『…え?もしかして寝落ちパターン?』

流唯はスマホから伊織の番号を出したが、思い止まった。

『…いや、後5分…3分だけ待ってみるか。』

そうやって窓枠に両肘をつき、お手製のうちわで顔を仰いでいた。