坂を登って行くとライトが消されたla collineの前で七琉美はスマホを取り出し、真っ暗な東屋を見上げ衣千華の番号を開く画面の発信ボタンを押した。真っ暗なはずの東屋からチカチカと光が見えた。
『……ナル?』
か弱い声の衣千華が電話を取った。
『……衣千華…俺…』
『分かってるから。ナルが東屋に来ないって事、分かってるから…言わないで。お願い。直接言われたら、明日からもう…笑える自信無いんだ…。正直、もういっぱいいっぱいで。私も東屋行けてないから。もう、いぃの。忘れて?』
衣千華は七琉美の言葉を遮って嘘をついた。"言わないで"と言われた七琉美は戸惑ったがこのまま帰る訳にはいかなかった。
『……衣千華?俺、忘れたり出来ないよ。』
『…えっ?』
『衣千華が、あの日言ってくれた事も…今日まで普通に笑ってくれた事も、全部無かった事には出来ない。お前の事、傷付けるかもしれないけど…話、聞いて欲しい。』
『………待って…泣きそう…。』
『…大事だから…衣千華の事。そこで待ってて。』
そう言って七琉美は電話を切ると東屋へと走った。
『……え?』
衣千華は切られたスマホを耳から離すと走ってくる七琉美に気付いた。
『……なんで?直接フラれるとか、まぢヤバィ…』
無理くり笑顔を作る衣千華。
『辛い思いさせてごめん。ずっと…気付いてやれなくて…答えてやれなくて…。衣千華の事、傷付けたく無いのに…謝る事しか出来ない…。それでも、笑ってて欲しい。衣千華にはずっと…これまで通り隣に居て欲しいんだ。だから来た。』
衣千華は七琉美に背を向けてグッと涙を堪えた。
『………ごめん…困らせたく無いのに…。』
そう言って必死に笑顔で答えた衣千華の背中が小刻みに震えていた。
『……ナル?』
か弱い声の衣千華が電話を取った。
『……衣千華…俺…』
『分かってるから。ナルが東屋に来ないって事、分かってるから…言わないで。お願い。直接言われたら、明日からもう…笑える自信無いんだ…。正直、もういっぱいいっぱいで。私も東屋行けてないから。もう、いぃの。忘れて?』
衣千華は七琉美の言葉を遮って嘘をついた。"言わないで"と言われた七琉美は戸惑ったがこのまま帰る訳にはいかなかった。
『……衣千華?俺、忘れたり出来ないよ。』
『…えっ?』
『衣千華が、あの日言ってくれた事も…今日まで普通に笑ってくれた事も、全部無かった事には出来ない。お前の事、傷付けるかもしれないけど…話、聞いて欲しい。』
『………待って…泣きそう…。』
『…大事だから…衣千華の事。そこで待ってて。』
そう言って七琉美は電話を切ると東屋へと走った。
『……え?』
衣千華は切られたスマホを耳から離すと走ってくる七琉美に気付いた。
『……なんで?直接フラれるとか、まぢヤバィ…』
無理くり笑顔を作る衣千華。
『辛い思いさせてごめん。ずっと…気付いてやれなくて…答えてやれなくて…。衣千華の事、傷付けたく無いのに…謝る事しか出来ない…。それでも、笑ってて欲しい。衣千華にはずっと…これまで通り隣に居て欲しいんだ。だから来た。』
衣千華は七琉美に背を向けてグッと涙を堪えた。
『………ごめん…困らせたく無いのに…。』
そう言って必死に笑顔で答えた衣千華の背中が小刻みに震えていた。

