Young days

2発目の花火が開く瞬間、キンキンのビールを莉乃の頬に当てた秀晴。

『ヒャッ!…チョット〜!』

『花火上がってんのに、何下向いてんだよ?』

スマホをポケットにしまい、ビールを受け取った莉乃。

『ありがと。』

そう言って蓋を開けると互いの缶を合わせ乾杯した。

『晴翔にね。花火の動画送ってたの。』

『あぁ…そっちもラブですか…。』

『え?何言ってんの?』

『いぃねぇ〜どいつもこいつもラブで浮かれて。』

莉乃は横一列に並ぶ6人に目を向けると、こう呟いた。

『どいつもこいつもハッピーなラブならいぃけど。』

『まぁな。』

秀晴は一瞬6人を振り返ると首を傾げ笑った。

『何?』

それを不思議に思う莉乃。

『いや…。自分で言うのもあれなんだけど、俺の直感てさ、まぁまぁ当たるのよ。特にラブに関しては。』

『…まぁ、そこは認める。』

『いやね、その辺で言ったら、ナルは伊織にほの字だと思ってたのよ俺的に。』

『"ほの字"って…。』

『でもね、なんつ〜か…今日は〜。』

『…今日は?』

『今日は…五分五分ってとこでさ。』

『だから何が?』

『見てる割合いだよ。アイツの視線がいつもは10あったら8は伊織を追ってんのに、今日は…五分五分。残り半分衣千華を見てる。』


莉乃は息を飲んだ。


『……へぇ〜。そうなんだ。』


莉乃はそう言ってビールを勢いよく流し込んだ。


『まぁ…そうなってくれた方が?どいつもこいつもハッピーなラブで俺的にもハッピーだけどね。』


『そんな事より、自分がハッピーなラブ見つけたら?ヒデオジももう40でしょ?いつまでも女が寄ってくると思ってたら浦島太郎もいぃとこだよ?』

莉乃はとかく話を変えたかった。

『そうねぇ〜。浦島太郎か…て、お前上手いこと言うね。』

『な〜んでヒデオジと2人で花火見てんだか。ねっ、もう1本持って来て!』

莉乃はビールのおかわりを催促した。

『人使い荒いのね。年寄りをイタワルって事知らな〜い?』

なんだかんだ言ってビールを取りに行く秀晴。