Young days

この日も秀晴は"水分摂れ〜!"の声掛けを欠かさなかった。毎年熱中症で運ばれる人が続出する為、花火大会の日は救急本部が設置され救急車が数台待機する。

朝から続々と人で溢れ返りレジャーシートを広げパラソルやテントの花が咲くビーチ。


『ドリンクじゃんじゃん補充しとけ〜!右側から出してけよ〜!フランクフルト焼けたよ〜!焼き鳥もう2分で出せるぞ〜。』


午前中の秀晴は焼き場で大忙しだ。それでもみんなに目を配り指示を出す。


莉乃は秀晴が仕込んだカレーを温め、伊織がカキ氷を作り、流唯と衣千華が注文を聞き、優月と果奈がクーラーボックスのドリンク販売。七琉美は主にパラソルや浮輪の貸し出しを担当していた。


『ヒデさん、焼きトウモロコシ2本ね!』

『了解ッ!水分摂ってるか?衣千華!』

『大丈夫ッ。摂ってるから。』

『じゃあ、ナルに水持ってってやれ!』

『わかった。』


衣千華は冷蔵庫から水を1本取り出すと七琉美の元へ向かった。


『ナル〜ッ!』


そう言って水を放ると七琉美はそれをキャッチした。


『サンキュ!』



もう既に玉のような汗を流す流唯は伊織の元へやってきて口を開けた。


伊織は皿から溢れた氷をひとつまみ流唯の口に入れてあげる。これを2人は何度も繰り返す。


『飼い主と犬を見てるみたい。』


莉乃はそう言って笑った。


この日は風も無くただただ上がっていく気温に目も眩む猛暑日。あれだけ馬鹿にした衣千華も首元のタオルの下にアイスノンを貼っていた。


『な?言ったろ?』


ドヤ顔の秀晴。


『それはダサイ!マジ無いわ〜!』


そう言って衣千華は秀晴のオデコを指差した。


『えっ?何?』


注文を伝えに来た流唯に秀晴は確認した。


『流唯、流唯、俺を見て!』

『なんすか?』

『なんかダサイ?何がダサイ?』

『ん〜俺的に1つ言えるのは〜、頭に巻いてるタオルからアンパンマンのアイスノンが若干見えちゃってる感じっすかね〜?』

『マジで?そりゃダセェ〜わ…。』

秀晴は慌ててタオルを巻き直した。