Young days

『伊織〜帰るよ〜。』

『ナル荷物取って〜。』

衣千華と流唯は何も無かったかの様に帰る準備を始めた。

果奈はニコニコして線香花火を見つめている。


『ヒデさん、ホントにいぃの?私片付け手伝うよ?』


『いぃって、伊織。お前も早くリュック取って来い!』


『俺は?』


『お前もいぃって。子供は素直に大人の言う事聞けッ。』


七琉美はコクンッと頷いた。


思いがけず早めの解散に、流唯は優月の店でジェラートでも食べようとみんなを誘った。


『あっ、私…今日はやめとくわ。』


『えっ!?衣千華何か予定あるの?』


伊織は珍しく誘いを断る衣千華が気になった。


『今日…あの、観たいテレビあって…。一応録画してきたんだけどね、今帰れば間に合うから…せっかくだしリアルタイムで観たいじゃん?』


気持ち早口になる衣千華。


『……分かる!俺もワールドカップ録画で観るとかあり得ねぇ〜もん!』


思いがけず賛同してくれた流唯に衣千華は感謝した。


『でしょ?そんな感じ〜。』


"嘘ついてごめん"


そんな笑顔で誤魔化した衣千華。



『ごめんね、ユヅ!今度全種類食べに行くから。』


『…あぁ。毎度あり〜!』


『私のオススメはティラミスとザクロだよ。』


『わかった!それッ!真っ先に頼むね。』


果奈に約束し、衣千華は走って帰った。



『今日なんか面白い番組あったっけ?』

『さぁ〜?』

優月と流唯が首を傾げた。



『俺もパス。』


『はぁ〜ッ?』


七琉美に"パス"と言われた流唯が二度見した。


『ナルも?えっ、好きじゃんBerry Berryのジェラート。』


『うん。全種類制覇した。』


伊織は"だよね?"と言わんばかりに首を傾げた。


『…あ、なんか腹の調子悪くて…。』

『え、大丈夫?』


七琉美は子供の様な嘘しか付けなかったが、伊織が真顔で心配するファインプレーに救われた。


『じゃ、4人で行くか。』


流唯も素直に受け入れた。