『……なんだよそれ。』
『だから、あの時ママを看取れなかった事…1番悔いてるのはパパだから。ナルだって、ホントは分かってるんでしょ?』
『………まぁ…。』
『お願いナル。私のワガママだと思って聞いて欲しい。もう…ママに心配かけないで?パパとナルがそんなんじゃ、いくら天国行ったってママ安心して休めないよ。』
莉乃の瞳には潤むものがあった。
『……わかったよ。だから泣かないで。』
莉乃はホッとした表情を浮かべ七琉美の頭を撫でた。
『や〜めろって!』
『ヤダぁ〜!やめたくない!いい子いい子させろ〜ッ弟〜!』
逃げる様に走り出す七琉美。それを追う莉乃。
『危ないから走んなって…。』
『ナルが逃げるからぁ〜!』
そうして2人は家へと帰って行った。
その頃、1人残った秀晴はウイスキーをロックで飲みながら波の音を聞いていた。
『………アイツら…よく笑ってたな…。』
そう言って星空を見上げた。
秀晴にとって、告白も出来ずに散った初恋の相手は料亭の娘で、蟹の時期になると毎年家族で通った店だ。秀晴の高校入学の祝いで食事に出向くとその娘は料亭を手伝っていた。和服の似合う彼女に秀晴は一瞬で恋に落ちた。いつか、大人になったら…と、秀晴は直ぐにガソリンスタンドでバイトを始めた。父親が大反対しても聞かなかった。お金を貯めて料亭へ食べに行く…。彼女に会いたい一心でバイト代を貯めた。とは言っても高校生1人で食べに行ける様な店ではない。3年間は蟹の季節を待つしか無かったのだ。大学へ行けと言う父親と行きたくないと言い張る秀晴は、進路の事で揉めて高3になってからは口も聞かなくなったが、家族で料亭へ行く日だけは必ず行った。そんな秀晴が卒業間近、バイト中にガソリンを入れに来た客が運転席の窓を下げると助手席に乗っていたのが彼女だったのだ。
『だから、あの時ママを看取れなかった事…1番悔いてるのはパパだから。ナルだって、ホントは分かってるんでしょ?』
『………まぁ…。』
『お願いナル。私のワガママだと思って聞いて欲しい。もう…ママに心配かけないで?パパとナルがそんなんじゃ、いくら天国行ったってママ安心して休めないよ。』
莉乃の瞳には潤むものがあった。
『……わかったよ。だから泣かないで。』
莉乃はホッとした表情を浮かべ七琉美の頭を撫でた。
『や〜めろって!』
『ヤダぁ〜!やめたくない!いい子いい子させろ〜ッ弟〜!』
逃げる様に走り出す七琉美。それを追う莉乃。
『危ないから走んなって…。』
『ナルが逃げるからぁ〜!』
そうして2人は家へと帰って行った。
その頃、1人残った秀晴はウイスキーをロックで飲みながら波の音を聞いていた。
『………アイツら…よく笑ってたな…。』
そう言って星空を見上げた。
秀晴にとって、告白も出来ずに散った初恋の相手は料亭の娘で、蟹の時期になると毎年家族で通った店だ。秀晴の高校入学の祝いで食事に出向くとその娘は料亭を手伝っていた。和服の似合う彼女に秀晴は一瞬で恋に落ちた。いつか、大人になったら…と、秀晴は直ぐにガソリンスタンドでバイトを始めた。父親が大反対しても聞かなかった。お金を貯めて料亭へ食べに行く…。彼女に会いたい一心でバイト代を貯めた。とは言っても高校生1人で食べに行ける様な店ではない。3年間は蟹の季節を待つしか無かったのだ。大学へ行けと言う父親と行きたくないと言い張る秀晴は、進路の事で揉めて高3になってからは口も聞かなくなったが、家族で料亭へ行く日だけは必ず行った。そんな秀晴が卒業間近、バイト中にガソリンを入れに来た客が運転席の窓を下げると助手席に乗っていたのが彼女だったのだ。

