Young days

『お前らもういぃよ〜。』


秀晴はタバコに火を付けると、莉乃と七琉美にそう言った。


『えぇ〜いぃじゃん!たまにはさぁ〜。身内水入らずってゆ〜の?』


『なんで休みの日にお前らの顔見て飲まなきゃなんないのッ!』


『どぉ〜せこの後、リョウコさんとこでも飲みに行くんでしょ?』


『あのなぁ、俺にだって1人で飲みたい夜くらいあんだよッ!』


秀晴は莉乃の羽織を投げた。


『ちょっと〜!』


『さっさと帰れ潮谷姉弟‼︎高校生連れて歩いてっと補導されんぞッ、酔っ払い!』


『はいはい!可愛い弟はまだ高校生でしたッ。』


莉乃は羽織に袖を通すと、バッグを七琉美に渡した。


『帰るかッ!弟ッ!』


七琉美は小さなため息を漏らしつつも、olu'oluを出ようとした。


『ナルッ!』


秀晴が七琉美を呼び止めた。


『ん?』


『今日は説教すんなよ?嬉しくて進んだ酒だ。お前も大人になれば分かる。』


七琉美は小刻みに頷いて莉乃の後を追った。



『ナル〜。置いてってごめんね。』


『何が?』


『ナルをパパと2人にさせて…ごめん。』


『…何だよ急に…。』


『ずっと言えて無かったから。』


『…いぃよ別に…。』


『でもねナル…パパの事…もう許してあげて?』


『…………………。』



『パパね、ママの事…すんごい愛してる。今でもずっと。』


『………なんで分んの?』


『パパ、寝る前にママの写真に手を合わせて聞いてるの。毎晩毎晩聞いてる…。"今日、七琉美は笑ったか?"って…。知ってる?あんたが小さい時、"笑った顔がママそっくりだ"って、パパの口癖だった…。羨ましかったな〜。パパにさ、"ママのどこが好き?"って聞いたら"笑った顔だよ〜"って。ちょっとだけあんたに嫉妬したわ。』