Young days

『何でナルも笑うのぉ?全然意味分かんない。』


伊織は自分の笑いに加え、訳も分からず笑い出す七琉美を見て余計に可笑しくなった。


『いや…全然意味分かんないけど…。
伊織が笑うと、なんか釣られる。』


『へぇ!?なんか分かんないけど、ナルが笑うと私も嬉しい。』


『…なんで?』


『だってナル、あんま笑わないから。いっつもクールで。小学校ん時そんなんじゃなかったよね?』


『…俺だって笑うよ?』


『えぇ?どんな時?』


『…面白い時?とか…。』


『とか?』


『嬉しい時…とか。』


『今のはどっち?』


『…面白い…方…。』


『訳分かんない。ナルの笑いのツボが謎でしょうがないよ〜。』


『伊織の笑った顔が、なんとも言えない不細工だったから。』


『ひどぉ〜い!』


伊織はそう言って顔をクシャクシャして笑った。


『……やっぱ、良い顔してたって。』


『えっ!?』


『流唯が。…そう言ってたよ。』



七琉美は膨らんだ浮輪の栓を閉めて立ち上がった。



『後俺やっとくから、表の方手伝ってやって。』



『…あっ、うん。』


伊織は立ち上がった。
一旦表に向かおうとしたが、振り返って七琉美を呼んだ。


『ナル。』


『ん?』


『…ありがと。』


そう言って表へ向かった伊織に七琉美は小さく答えた。


『…ぉぅ。』



そして少し笑った。





『よ〜し、じゃあ今日は焼き鳥推しでッ!張り切って売んないと、お前ら全員昼飯焼き鳥ノルマだかんなッ!』


秀晴の掛け声で店は営業時間を迎えた。