Young days

そして、1週間後…進学組の衣千華を皆んなで見送ると、翌日優月と果奈の2人を送り出した。

その3日後に莉乃と晴翔がこの街に戻ってきた。

流唯は秀晴の元でメニューの料理を習いながらバイト生活が始まり、伊織はドルフィンで新たに始めるサーフィン教室の準備に追われる日々。七琉美は莉乃と2人で完成したレンタル別荘のインテリアの配置やホームページの製作にと、それぞれの居場所でそれぞれの春をスタートさせた。





翌年の夏、コンビニで線香花火を買った七琉美は車に乗り込みエンジンをかけた。【18:15】中から流れてきたのはあの曲だ。車を走らせ遠回りをして着いたのは丘の上にあるレンタル別荘だ。車を止め、自分の部屋のドアにかかる札が"オーナー不在"になっているのを確認し、坂を歩いて下っていった。車両通行止めの看板が見えてくると七琉美は人混みの中へと消えて行った。


七琉美が浜茶屋olu'oluに到着すると、秀晴がグータッチで迎えた。流唯だけは、例年通り浜茶屋olu'oluを手伝っているが夏限定で募集した高校生のバイト4人に支持を出し、先輩風を吹かせていた。莉乃が手を上げると横には晴翔が。デッキから1番花火が見える位置に秀晴が今年特別に用意した予約席では、伊織と衣千華、優月に果奈が手招きで七琉美を呼んでいた。


『ナルちゃん、コーラ自分で持ってってね。俺マジ忙しいからッ!ちょっとカキ氷遅いよ〜!』


七琉美が"お疲れ様"を言いそびれる程忙しく動き回る流唯。


コーラを持って予約席へ合流すると、数ヶ月ぶりに顔を合わせた進学組に"おかえり"と伝えた。


『これ、俺からの細やかなプレゼントッ!』


タイミングを見て焼き場を離れた秀晴がみんなに、3袋の線香花火を見せると一瞬固まった5人…。バッグやポケットから全員が線香花火を出して見せた。


『あっ……………。』


『えぇぇぇぇぇぇ〜ッ!』


と、まるでコントのような流れに笑いが起こった。そこへ、ひょこっと顔を出した流唯は1人真顔で口を開いた。


『え、馬鹿なの?今から超どデカい花火上がんだぜ?なのに最小花火そんないっぱいどうすんの?』


秀晴は思わず流唯の頭を叩いた。


すると、開始のアナウンスが流れ秀晴が椅子を1つ並べ足すと流唯を七琉美の横に座らせた。



夜空に勢いよく上がった1発目の花火が大輪の花を咲かせると、色とりどりの光が皆の顔を照らした。


あの日の様にしっかり手を繋いだ6人。



秀晴は、この現世でも宇宙一の幸せを感じる事が出来るのだと、この6人から教わった気がした。