Young days

七琉美はずっと、秀晴の横顔を見ていた。


『で…就職もせず、毎日ただ海をずっと見てた。この曲にもあったろ?何も手に付かないって〜の?そしたら師匠が、伊織の親父さんが声掛けてくれて…"一緒にサーフィンしないか?"って俺を誘ってくれたんだよ。それでサーフィン始めて…。俺が働いてねぇ〜もんだから、道具とか全部貸してくれて。海入ったらさ〜その間は色んな事忘れられたって言うか、今思えば何でも良かったんだよな。頭ん中真っ白に出来る何かが俺にはサーフィンだったってだけで。でも、師匠には今も感謝してる。サーフィンに出逢えたから、使い道を失った金でハワイにも行けた。何もかもが新鮮で、久々にワクワクして。ハワイに惚れ込んだ。だから、帰国してあの町戻って…olu'oluオープンさせたんだよ。そしたらさ、兄貴と華奈緒さんの結婚が決まった。嬉しかったよ。兄貴の幸せを願った。それは本当。だけど、結婚式で花嫁さんになった華奈緒さん見た時…なんつぅ〜か、ちょっとだけ?兄貴に嫉妬した。』


『……うん。』


『俺さぁ、親父と上手く行ってなかったから実家に居づらくて、しばらくolu'olu寝泊まりしてたんだよ。そしたら、兄貴が家建てるってなって親父に広い庭が欲しいから…って、土地を多めに買ったんだよ。』


『…え?』


『広い庭なんて無いだろ?お前んち。』


『……うん。』


『本当はさ、近所でも目立つようなデカい豪邸建てて広い庭付きの。それを止めて、普通サイズの家建てて、庭になる筈だった土地に平家の1軒屋建てて…俺に住めって。自分の店が軌道に乗るまでは大変なんだから…ってあの家くれたんだよ。お前の父さん男前過ぎて、俺頭上がんねぇ〜んだわ。』


『……そうだったんだ…。』