Young days

『……普通がよく分かんないけど…。どっちかって言うと、すげぇ〜な…って。』


『何が?』


『……辛かっただろうな…とか、長かっただろうな…とか。母さん、死んだ時…ヒデオジどんなだったかな…って。初恋の人が居て、告白出来なくて、今でも想い続けてる…。色んな意味で、すげぇ〜な…って。』


『………今までさ、誰にも話した事無い事を寄りによって、お前に話すってのも、なんかおかしな話なんだけどさ…。あの手紙を見つけてくれたのも、俺に届けてくれたのもナルだから。ちょっとだけ聞いてくれる?俺の初恋。』



『うん。聞きたい。』



『俺が華奈緒さんに初めて会ったのは、高1の時でさ、昔から家族で華奈緒さんとこの料亭に飯食いに通ってたんだけど。俺の入学祝いで行った時、たまたま料理運んできたのが華奈緒さんで…一目惚れってやつ?着物着てさ、髪纏めてて…女将が娘なんです…って紹介してくれてんだけど、俺もう目が離せなくなってて…。そっから、親父の反対押し切って、ガソスタでバイト始めて…金貯めて、高校出たら自分であの店通うんだ!って…。馬鹿だろ?』


七琉美は首を横に振った。


『まぁ、料亭だからな。高校生が通えるトコじゃねぇ〜し、家族で行くっつっても年2回行けたらいぃ方で。次、いつ会えんだろ…次はいつ…?って。だから必死でバイトして金貯めた。そしたら…もうちょっとで卒業ってトコで、兄貴の彼女んなってた。あれは参ったよ…。俺なんて、まだまともに喋った事も無かったのに。3年間想い続けて、これか…ってな。』


秀晴は笑いながら語った。


『親父はさ、男は学歴がどうのって…大学行きを譲らなかったけど、俺街離れたくねぇ〜から必死で反抗してさ…。華奈緒さんに会えなくなるのが嫌だっただけなのに、何も知らない兄貴が親父説得してくれてさ。俺めちゃめちゃ感謝したんだよね。昔から自慢の兄貴だったし。だから華奈緒さんが兄貴の彼女だ…って分かった時、俺敵わね〜って思った。色々ショックだったけど、それだけは邪魔出来ねぇ〜ッつぅ〜か…。』