Young days



"君に近づかない方がいいのは分かってる
 僕にはよくないってことも
 やってはみるけど結局できやしないんだ "



『…これって………。』



七琉美は、その歌詞と手紙、秀晴と交わした会話の中に出て来た初恋の相手…全ての点と点が繋がった。



七琉美は、母との思い出を振り返る中で常に秀晴がずっと側に居てくれた事を覚えている。幼い頃から母が息を引き取り灰になるまで、忙しい父の代わりに自分達が寂しい思いをせぬ様側に居てくれたのだと思っていた。


もう一度手紙に目を通すと、それだけでは無かったのだと秀晴の"想い"を知った。




『…そりゃ…言えないわ…。』



告白が出来なかったと答えた時の秀晴に、今更突っ込んでいた七琉美。




それを知ってから聞く"because of you"は、七琉美により切なさを与えた。かつて秀晴が重ねたように、自分も想いを重ねた曲。この曲を何年も聴き続けながら今もまだ同じ人を想っている秀晴の事を思うと、それもまた自分を見ているようで涙が溢れた。秀晴が自分の母に想いを寄せたのはいつからなのかは分からないが、決して叶わぬ恋をして、想いを口にする事すら許されない恋とはどんなに辛かっただろうか。その想いを伝えられぬまま、永遠の別れが訪れても尚想い続けるとはどんな感覚だろうか。この手紙に書かれた母の想いは秀晴に届いたのだろうか…と。

色んな事を思うと、七琉美は居ても立っても居らず、その手紙を持って家を飛び出した。


olu'oluまでの距離を七琉美は全力で走った。

秀晴に会いたくて…今…会わなきゃいけないような気がして走っていた。