Young days

その日、いつもより少し早めに解散した。



『伊織、ちょっと話せる?』


衣千華が伊織に声を掛けた。



『じゃあ…俺〜Berry Berryの限定パフェ食いに行くかな?今日までだよな?』

『あぁ…俺らも付き合うよ。てか、俺んちだし。ね?』

『うんッ。流唯まだ食べてなかったもんね。行こッ!』


そう言って3人は2人と別れた。


衣千華は伊織と浜辺の階段へ向かった。



『…ずっとね、伊織が羨ましかった。』


『…え?』


『ナルの視線を独り占めしてた伊織が羨ましぃ…って。ちょっとぐらい、こっち見てよ〜って。笑えるでしょ。』


『…そんな…。』


『伊織は流唯が好きなんだから、諦めなよ〜って。諦めて、こっち見てよ…って。そう思ってた。』


伊織は気不味そうな顔をした。


『そんな顔しないで伊織。』


『だって…。』


『私ね、ナルにお試しで付き合って貰っただけなの。2週間限定のね。』


『…え?』


伊織は戸惑った。


『この2週間…もう死んでもいぃって思うくらい幸せだった。だってね、それまで必死に抑えてきた気持ち溢れ出て止まんないって言うか…もっともっと好きになってくって感じ?上手く言えないけど…。』



『うん…。』



『だから…伊織の事は諦めて、こっちを見てよ…って思ってた自分が、どっかで勘違いしちゃったんだよね。限られた時間だったけど、その間だけは…もう私だけのナルなんだ…って。』



『…でも、私もユヅと同じだよ?』


『……え?』



『衣千華の事を好きって思ったナルも本当なんだって…。』



『……そんな訳…みんな優しいから…。』


『そうじゃない。ナルが言ってたの。
"衣千華見てると、まるで自分を見てるみたいで抱きしめたくなる"って。好きのカタチは色々だけど…"抱きしめたくなる"って、私には最大の愛情表現に思えた。こっちが少し妬けちゃうぐらい、ナル…すごく優しい顔してたから。あれは、同情なんかじゃ無いって…そんな顔、してたよ?』


衣千華はそっと伊織の手を握った。


『…ありがと。嫉妬なんかしてごめんね伊織。大好きなのに…。』


『衣千華…。』


『大好きだよ。伊織。』


『…私も…大好き。』


『やだぁ、なんで泣いてんのウチら。』


衣千華と伊織は泣きながら笑った。