秀晴は、通り沿いを歩いて行くと昔の事を思い出した。それは、華奈緒の葬式が済んだ晩の出来事。出棺を終え灰になった華奈緒の骨箱を1つだけ持って七琉美が居なくなった事があった。親戚総出で探し回り、秀晴が七琉美を見つけたのが、あのテラスデッキだ。
秀晴は走り出した。
テラスデッキは駐車場の方から柵を越えると外からでも入り込めるようになっていた。
秀晴は柵を跨ぐと、壁からテラスを覗き込んだ。
『見〜つけたッ!』
あの時と同じ掛け声で振り向く七琉美に笑いかけた。
『すげぇ〜なぁ〜。ライトなくても月明かりでお前の顔がハッキリ見えるわ。』
そう言いながらデッキに上がってきた秀晴は七琉美の横に腰を下ろした。
『………俺の事見つけるの…得意なの?』
『バーカ。お前がかくれんぼ下手なだけだよ。』
『………別に隠れてる訳じゃ…。』
『……ナル…何があった…?』
『……何も……。』
『じゃなんでみんなお前を心配してんだ?』
『……………………。』
『……お前、スマホは?』
『……持ってない。』
『どこやった?』
『…海の底…。』
『大胆だねぇ〜。兄貴怒るよ〜?新しいの、買ってくんないかもよ?』
『必要ないから…もう…。』
『……必要ない…か…。アイツらの事も?』
『……………………。』
『……ユヅが泣きながら電話して来たよ。流唯が怒って、衣千華が泣いて、果奈まで怒って…あの果奈がよ?…で、伊織が泣いて…俺も泣いた…って。俺に"助けて"…って、言うんだよ…ユヅが…。アイツらのSOSが、止まらねぇんだよナル…。』
優しく語りかける秀晴に七琉美はそっと涙を流した。
『お前だって、ホントは叫んでんだろ?
"助けて"って…心ん中で。お前がココに居るって事は、それが俺に出したお前のSOSだ。』
昔、ここで骨箱を抱え泣いていた七琉美を見つけた時2人はある約束をした。
"お前がココに居た事は誰にも言わない"
"ココは、俺とお前の秘密の場所だ"
そう約束して七琉美を連れ帰った後、親戚中に"自分の車の影に隠れてた"と嘘をついて誤魔化した秀晴。
だから七琉美にとって、この場所は秀晴にしか分からない2人の秘密の場所なのだ。
秀晴は走り出した。
テラスデッキは駐車場の方から柵を越えると外からでも入り込めるようになっていた。
秀晴は柵を跨ぐと、壁からテラスを覗き込んだ。
『見〜つけたッ!』
あの時と同じ掛け声で振り向く七琉美に笑いかけた。
『すげぇ〜なぁ〜。ライトなくても月明かりでお前の顔がハッキリ見えるわ。』
そう言いながらデッキに上がってきた秀晴は七琉美の横に腰を下ろした。
『………俺の事見つけるの…得意なの?』
『バーカ。お前がかくれんぼ下手なだけだよ。』
『………別に隠れてる訳じゃ…。』
『……ナル…何があった…?』
『……何も……。』
『じゃなんでみんなお前を心配してんだ?』
『……………………。』
『……お前、スマホは?』
『……持ってない。』
『どこやった?』
『…海の底…。』
『大胆だねぇ〜。兄貴怒るよ〜?新しいの、買ってくんないかもよ?』
『必要ないから…もう…。』
『……必要ない…か…。アイツらの事も?』
『……………………。』
『……ユヅが泣きながら電話して来たよ。流唯が怒って、衣千華が泣いて、果奈まで怒って…あの果奈がよ?…で、伊織が泣いて…俺も泣いた…って。俺に"助けて"…って、言うんだよ…ユヅが…。アイツらのSOSが、止まらねぇんだよナル…。』
優しく語りかける秀晴に七琉美はそっと涙を流した。
『お前だって、ホントは叫んでんだろ?
"助けて"って…心ん中で。お前がココに居るって事は、それが俺に出したお前のSOSだ。』
昔、ここで骨箱を抱え泣いていた七琉美を見つけた時2人はある約束をした。
"お前がココに居た事は誰にも言わない"
"ココは、俺とお前の秘密の場所だ"
そう約束して七琉美を連れ帰った後、親戚中に"自分の車の影に隠れてた"と嘘をついて誤魔化した秀晴。
だから七琉美にとって、この場所は秀晴にしか分からない2人の秘密の場所なのだ。

