Young days

優月が七琉美のスマホを鳴らしても出て来ない。



『あっ、果奈〜。』


『ハァ、ハァ、ハァッ…。ナルはッ!?』


優月は首を振って答えた。


『ダメッ。電話にも出ない…。』


莉乃が駆け付けた。


『ナルはッ!?』


優月が首を振って答えた。


すると莉乃は衣千華の側へと向かい、そっと抱きしめた。


『ごめんねッ。不甲斐ない弟で…ごめん。』


衣千華は精一杯首を振った。


『きっと…いっぱい泣かせたね。』


莉乃はゆっくり体を離すと、衣千華の頬を両手で撫でて涙を拭った。その仕草はまるで、いつかの七琉美と同じだった。


『優月くん、ごめん。番号教えてくれる?』


『えっ!?』


『私、家でナル帰ってくるの待つから。ヒデオジにもそうしろって言われてるの。だから、ナルが戻ったら必ず連絡入れる。』


『あっ、はい!』


2人がスマホの番号を交換すると、莉乃は家へと戻った。その途中、伊織と流唯にすれ違った。


『あっ!莉乃さんッ!』


『流唯くんッ。伊織ちゃんも…。』


『何がどうなってるんすかッ?』

『ナルが、どうしたんですッ?』


事情を知らない2人に、莉乃は自分の口から説明するのを戸惑った。


『上に、東屋に、みんな居るからッ。ごめんね!私急ぐからッ。』


そう言って行ってしまう莉乃に、2人は慌てて東屋への坂を登った。


みんなに合流して、衣千華から話を聞いた4人に重たい空気が流れた。



『何だよそれッ…なんでそうなんだよッ!』


怒りを露わにする流唯を優月がなだめた。