Young days

衣千華は、ハッとしてスマホを取り出すと震える手で優月に電話した。


『どしたッ?』


真っ直ぐ家に帰れなかった優月は、果奈と2人海辺の階段に居て衣千華からの着信に気付いた。


『ユヅッ…どうしよう…ナルがッ…。』


『衣千華?ナルがどうしたの?』


『…ナルは…きっと、ウチらから離れようとしてるッ…。』


『…え?』



"みんなの事、頼むね"


七琉美に言われたその言葉が頭をよぎった。



『……"ケジメ"って、そうゆう…衣千華ッ、今どこッ!?』


『ラ コリーヌの上の東屋…。』


『ナルはッ!?』


『坂、降りて行っちゃった…。私ッ、追っかけて行けなくて…身体…動かなくって…。』


『分かった!今そっち行くからッ!衣千華そこに居て!ねッ?』


『……ぅん。』


優月は電話を切ると果奈を連れて東屋の方へ走った。


『急げば、ナルと会えるはずだからッ!』


果奈はそれを聞いて優月の手を離した。


『…えっ!?』


『行って!早くッ!間に合わなくなるッ!』


『ごめん!もし、会えなくても東屋に居るからッ!』


優月は果奈を置いて先を急いだ。果奈は後を追いかけながら、伊織に電話をかけた。
一旦七琉美の家の前を通り過ぎた優月は引き返し、七琉美の家のインターホンを鳴らした。


『え?どしたの?』


『莉乃さんッ!ナルッ、ナル帰ってますか?』


『まだ戻ってないけど…。』


『そうですかッ。』


そう言って駆け出してく優月に莉乃は驚いていた。



『もしも〜し!果奈〜?』


『伊織ッ!』


『どしたの果奈?そんな慌てて。』


『ナルがッ…とにかくナルがッ!』


『えっ!?ナルがどうしたのッ?』


『ハァッ、ハァッ、とりあえず東屋ッ!』


そう言って果奈からの電話が切れると、伊織は流唯を連れて東屋へと向かった。