Young days

片付けが始まると、優月は七琉美を手伝いに行った。


『俺もやるよ。』


そう言って、パラソルを乾拭きし出す優月に七琉美はこう言った。



『……ユヅ…ありがと…。』



『…いぃよ。こんなのいつもやってるじゃん。』



『…そうじゃなくて、朝言ってくれた事。俺、ちゃんとするから…。ケジメ、付けるから。あと、頼むね。』



『…ナル?』



『俺、あっち片付けちゃうから…。』



七琉美は空気を抜いた浮輪をカゴに入れ倉庫のある裏へ回った。



そこへ流唯が来て優月を手伝った。



『衣千華、帰りちょっと話せる?』


七琉美が衣千華にそう伝えると、衣千華は笑顔で答えた。


『…わかった。東屋で話そう?』


『……うん。』



片付けが終わると、流唯と伊織はコンビニへ行くと言って帰って行った。


『俺らも行こっか?』


『…うん。』


優月は果奈の手を引いて七琉美達より先にolu'oluを出た。


『じゃあ…俺らも行くね。』


『おぅ!お疲れ。』


秀晴は七琉美と衣千華を心配そうな顔で見送った。


『……な〜んか距離があんだよなぁ…。』



これまで、衣千華が七琉美に腕を絡めて帰ってく姿を見ていた秀晴は2人の微妙な距離感を案じていた。



『ど〜なってんだか…アオハル。』



歩き出しても何も喋らない七琉美に、衣千華は別れの予感を察していた。


衣千華はスッと七琉美の手を握った。


『……離さないでね。』


『………え?』


七琉美が衣千華の顔を見ると、真っ直ぐ前を見たまま衣千華はこう言った。


『今だけ…東屋着くまでは離さないで。手繋いでこの坂を登りたいの。ナルとこうして一緒に歩ける最後の道だから。』


七琉美は何も答えずその手をギュッと握った。それは、衣千華の予感を事実にさせた七琉美からのサインだった。