海に囲まれた風波町(カザナミマチ)。漁が盛んだった港町が、地元住民の過疎化対策への必死な町おこしに寄って、ここ近年リゾート地として多くの観光客が訪れる町となっていた。


ここで育った、6人の高校生が今卒業式を迎えている。



それを見守る1人の男。




横1列に並ぶ家の前はカモメ通り(通称…カモ通)があり、カモ通の向こう側は海という幼馴染の6人は何をするにも一緒に居る事が当たり前の関係を保ったまま高校最後の夏を迎えていた。


両親が営むサーフショップ(ドルフィン)の1人娘、島波伊織(シマナミ イオリ)。両親の影響を受け、時折サーフィンをする。

ドルフィンの隣で両親が美容室(SUN RISE)を開いている、北浜流唯(キタハマ ルイ)。とても明るく無邪気なムードメーカー。4つ上の兄、晴翔(ハルト)をとても慕っている。

元々ペンションの経営をしていた祖父を持つ潮谷七琉美(シオヤ ナルミ)。通称ナル。ルックスも良く高身長。クールで口数は少ないが、とにかくモテるが、学校では基本幼馴染としか口を聞かない。父親はホテル経営をしている。5つ上の兄と、3つ上の姉がおり、姉の莉乃(リノ)はとても明るく社交的で街1番の美人と評判だ。

浜野 衣千華(ハマノ イチカ)。家は流唯の2軒隣。両親は海が見える丘にフレンチの店(la colline ラ コリーヌ)を開いている。父親はシェフで2つ星を持ち、母親はソムリエ。1日2組限定にも関わらず予約は半年待ちという名店の1人娘。

水元優月(みずもと ゆづき)は、伊織の家から3軒隣でBerry Berry(ベリー ベリー)というケーキ屋を営んでるが、オープンテラスで夏は海水浴客達がジェラートを求めて列を成す、ちょっとした有名店だ。4つ下に妹がいる。

沢井果奈(サワイ カナ)は、甘いものが大好きで、幼い頃からBerry Berryの大ファンだ。小さい頃は優月の父に何度も『お嫁さんにして』と頼み込んでいたが、何度もケーキを買いに行くうち、高校入学と共に『俺のお嫁さんに来なよ?』と言う優月と付き合うようになった。父親は漁師だ。兄は高校卒業後、父親の船に乗り親子で漁に出ている。