ピンポーン~
実家だけど、インターフォンを鳴らして母を待つ。
「はあ~い」とやけに高い声でドアを開けた母と目が合う。

「玲くん、真琴。いらっしゃい。」

「ママ。久しぶり。元気だったの?」

「お義母さんご無沙汰して、すみません。」

お堅い挨拶は此処までにして、リビングへと向かう。
休日だったこともあり、父とも久しぶりの再会を果たしお昼ご飯がまだだったので図々しいながらも母の手料理を堪能し帰省を存分に楽しむ事が出来て満足した。

「玲くん、真琴。いつでも遊びに来てね?
 次は泊まりで来て。
 連絡くれたら玲くんのご両親もお呼びするから!」

「うん。」

「ありがとうございます。
 改めて、僕の両親も含めてご挨拶もしたいので日程が決まりましたらご連絡します。
 今日は突然だったのにも関わらず、ありがとうございました。」

玲くんの完璧な挨拶に狼狽え、母の目がハートになっていたのに別の意味で狼狽えた。
私の両親が玲くん側に付く意味が分かった。そんな気持ち。
(これじゃ、玲くんのご両親もちかちゃんもこんな感じか。)




『俺の両親は早く孫が抱きたいらしいぞ。真琴。』