俺の実家から真琴の実家までは片道、徒歩で30分程離れているので和室で良ければ空いていると素晴らしい提案をしてくれた真琴のお義母さんの意見に賛同して、期間限定だがひとつ屋根の下で暮らすことになった。
思っても見ないサプライズに心底喜んだ。


久しぶりの再会で大学四年生の真琴の綺麗さに目を奪われた。
高校生の頃からずっと伸ばしていた髪を成人式を期にばっさりと短くしていた。
それがとても似合っていて。。。
化粧も殆んどしていない為か、昔の面影も見え隠れしている。
普段姿の真琴にドキドキした俺は、風呂上がり真琴を見ていてもたってもいられなくなり和室へと逃げた。
(アブねえ~。家を追い出されたら意味がない。)

トントン。
「玲くん?
 寝る前にやっとくのって、どれかな?」

「真琴、ごめん。
 直ぐに真琴の部屋に行くから待ってて。」

ここで、真琴に引かれてしまっては何の意味もない。
落ち着かせ、夜の分の資料を片手に部屋を出る。
厳しめのカリキュラムに設定したが予想外にも真琴はすんなり受け入れた。
それも最初のうちだけかも知れないが。

トントン。
「真琴?入るぞ。」

「うん。宜しくお願いします。」

彼女の部屋に入ると白い四角いテーブルがあり、そこで二人で並んで勉強をする。
真琴から借りたネコの座布団が可愛くてなんとなく真琴みたいだなと、思うと座りづらい。

「真琴?寝る前は暗記系だ。
 資料を持ってきたから、これを参考に……。」

真琴の為に対策しっかりと立ててあるから完璧だ。