真琴がぐっすり眠ったところで、協力者の一人に報告がてら電話をする。


『…もしもし?』

「もしもし、俺だけど。 
 とりあえず、報告をしようと思って。
 真琴と無事に一緒に住むことになった。」

『ああ、なんだ兄貴?
 はははっ。
 ってか、まじか。あいつも可哀想だな。』

「可哀想とか言うなよ。
 真琴にとっては最善策だ。
 まあ、でも千景がいなかったらどうなってたか分からない。
 ありがとう。」

『本当だよ!
 真琴の職場に真琴の事を気になってる奴がいるって情報一つで帰国して、奪い取っちゃうなんてな。
 さすがに俺もびっくりしたよ!』

「千景!それは真琴には内緒だからな。
 あいつはそういった類いには疎いから。
 ただ、また何かしらの情報が入ったら逐一連絡してくれ!」

『はいはい。
 それじゃ、俺への報酬は東西百貨店のいつものフレンチの店の俺のお気に入りの赤ワインを宜しく~』

「ああ。
 お安いご用だな。
 来店の約束があるなら日程を教えてくれ。」



種明かしは少しずつ。