ガチャーーーー・・・

寝室へ入るとリビングやエレベーターから見た夜景とはまた違う美しい景色に圧倒された。
宝石をひっくり返した様だと聞いたことがあるけど、本当だったんだと。こんな世界知らなかった。

「きれい~ーーー」
「真琴が気に入ってくれると思った。」

ビルやマンションの灯りってこんなに美しいものだったなんて、今まで気付かなかったなと。

しかも、寝室だけなのに自分の元アパートの部屋より広く感じる。
いつものベッドがミニチュアに見えるような特大のベッドに目を大きく見開き狼狽えるが、ある意味ラッキーかもしれない。

(これだけ広いベッドだったら、密着しなくて済む!)

「ふぁ~」昨夜から続く攻防戦にお疲れの様で薄明かりの部屋とふかふかと思われる布団を見ているだけなのに眠気が襲ってきた。

「真琴。おいで。」
「うん。」
ベッドを通り越して窓から見える夜景に釘付けになっていたら、玲くんに呼ばれてお布団に入るとふかふかが気持ち良くて、枕に頬擦りするともう目を開けるのも辛いくらいに一瞬で寝てしまいそうになる。

「真琴。色々な話があって疲れただろ?
 明日からはこの家から仕事に行って、仕事が終わったらこの家に帰ってくる。
 分かったか?
 夕飯がいらない時、帰りが遅くなる時、それ以外の時も連絡するから返信は必ずること。
 ーーーーーーーー。
 真琴?聞いてるか?
 はあ。全く・・・。」

「…う…ん・・・。」





『これで、君は俺のもの。』