幼なじみの彼が俺様すぎて…

心の中がグチャグチャなまま過ごす日々はとてつもなくしんどい。

廊下を歩けばみんなにジロジロ見られる。
当たり前だよね、あんな大人数の前であんなことがあったんだもんね。

「ひまりー!今日さお前晩飯うちで食べるんだってな。朝から母さんが張り切ってたぞ!」

何でよりによって今なのかな?
また周りにたくさんいるじゃん。
遠くの方には中村君もいる。

「あーなんか朝言った。おばさん何時に帰ってくる?手伝いたいんだけど……」

瑛多のお母さんのうちのお母さんはもともと知り合いでうちのお母さんもお父さんも医者だから夜いないときが多い。そんなときは瑛多の家で晩ご飯を食べる。月1ぐらいでそんな日がある。

「さぁ。分かんねぇなぁ。買い物とか行ってたりするかもしんねぇからな。うちで待っとく?」

「そーする!」

いちいち連絡してもらうより瑛多の家で待ってれば早いもんね。


「今日あいつん家行くんだ?」

ニヤニヤしながら聞いてくる中村君。

「行くけどそれがどうしたの?」

幼なじみなんだから別にいいじゃん。なんでそんな事言われなきゃいけないの?

「いや、日葵はあいつのこと好きなのかなぁって思ってさ」

「好きって言ったらどうするの?」

告白を受けてから中村君はとにかく構ってこようとしてくる。

「そんなの関係なく奪いに行くけどな。でもこれだけは言わせて。俺のほうがお前のこと好きだから。好きって言わせてやるから。」

こんなキャラだったんだ。こんな風に言うんだ。



「ひまりー!やっほー!なんか校内でめちゃくちゃ噂されてるけど何があったの?」

「蘭!助けてよぉー!」

高橋蘭。私の頼りになる大親友。今はクラスが違うけど昔からの知り合い。

「何があったの?噂がどこまでが本当か分からないけど凄いことになってんじゃん。」

「う、噂になってんだ…。」

だ、だよね。ならないはずがないよね。

「なってるよ!瑛多と翔琉の取り合いでしょ?あんな男前2人からの告白とか羨ましいすぎるでしょ。しかもあの2人同じテニス部でペア組んでるじゃん?だからだよ。」

「ど、どうゆうこと?」

頭の理解が追い付かない。


「ペアだと2人が強いけど恋愛だとどっちが上なのかとか幼なじみの関係に翔琉が勝てるのかとか日葵がどっちを選ぶのかとか。」

「色んなところで噂になってるよ!」

う、噂って怖い。

「あんたはどっちを選ぶの?」

キラキラと目を輝かせて聞いてくる。

ど、どっちって言われても…。

「わ、分からない。」

「なんでよぉー!瑛多じゃないの?ずっといるのに。」

ずっといるのは瑛多だけどさ。好きなのかって聞かれると分からない。

「蘭はさ、好きって何だと思う?」

こんな質問普通ならしないけど今はこんな状況だから余計に分からなくなってしまう。

「私は一緒にいたいと思ったり、その人と一緒にいて楽しいと思ったりすることだと思うけどな。でも人それぞれじゃない?」

一緒にいて楽しい人……
一緒にいたいと思う人……

「ドキドキしたりするのもそうかもね。」

ドキドキする相手……

頭の中に浮かんだのは……