澪と別れてからすぐ柊に電話した
「もしもし」
電話口から聞こえる声はいつもの柊だ
「もしもし、柊?今どこ?」
「えっ、今は家だけど」
「今から出てこれる?」
「うん…」
「じゃあ、前行った公園で待ってる!」
そう言って柊の返事も聞かずに電話を切り
公園まで急いだ
「はぁっ、疲れた…」
公園に着いたけど柊はまだ来てなかった
ベンチに座って待っておこうと思ったら
後ろから「流花」と名前を呼ばれた
「柊…」
「いきなり電話きたからびっくりした」
「そうだよね…」
「何か用事?」
いざ言おうと思うと怖い…
でも私が踏み出さなきゃ
「好き…」
「えっ…」
「私、柊のことが好き」
「流花…」
柊は驚いたあと少し悲しそうな顔をした
「ありがとう…」
「柊は、私の事どう思ってる?」
きっと柊は
病気だからってことがずっと引っかかってるんだと思う
「俺は…流花のこと、好きだよ。でも、病気だから、死んじゃうから」
「そんなことどうでもいい!」
「流花?」
「病気とか死ぬとか関係ない!私はそんなの関係なく柊が好きなの…」
話しているうちにだんだん涙が溜まってきて
零れそうになった所で
柊の匂いに包まれた
「女子に告白させるとか、まじダサいな俺…」
「柊?」
「いいの?俺で」
「柊がいい」
「流花より先に死んじゃうよ?」
「もう、しつこいなぁ」
「あっ、あともうひとつ」
「何?」
「浴衣、すげー似合ってた」
「ふふっ、遅いよ」
離れると2人とも泣いてて
顔がぐちゃぐちゃで
お互いの顔見て笑いあった
「流花、好きだよ」
「私も好き」
恋人になって初めて交わしたキス
「しょっぱ」と言って2人で笑った
