「澪、どれがいいかな〜」
今日は澪についてきてもらって浴衣を買いに来た
「柊くんにどれがいいか聞いたら?」
「えー、やだよ。お楽しみにしたいじゃん」
浴衣着て欲しいって言ったのは柊だし
着るからには可愛いって言ってもらいたいし
「ちょっと真剣に選んでよ〜」
「はいはい。分かったから」
あーでもないこーでもないっていいながら
澪と選んだ浴衣はシンプルで大人っぽいデザインのもの
「これなら絶対可愛いって言って貰えるよ!」
「そうだといいな」
柊とも連絡を取り合って
時間や場所決めたり
それだけでもすごく楽しい
1人で花火大会まであと何日なんて数えたりして
私ってこんな一面もあったんだなって思う
いよいよ待ちに待った花火大会
着付けも髪も澪がしてくれる
澪は器用だからそういうの上手なんだよね
私は不器用だから出来ないんだけど
「ほら、出来たよ」
「うわぁ、ありがとう!」
「うん。楽しんできてね」
澪に見送られて待ち合わせ場所に行く
周りにも浴衣の人がちらほら見えてきた
キョロキョロ柊を探していると
「流花!」と声がした
振り向くと浴衣を着た柊が立っていた
