君と見たい世界






「ねぇねぇ、この前どうだったの?」


「どうって…別に何も」






休みが明けて学校に行くと


澪に後夜祭のことを聞かれた





「告白しなかったの?」


「してないよ」


「えっ、じゃあ何してたの?」


「屋上で寝転んで星見てた」





そう、あれから柊とは何もない


私が手を繋いだことも何も言ってこなかった


柊は私に全部見せてるようで


何も見せてないのかもしれない





「手繋いだだけ?」


「うん、しかもそれについても何も聞かれなかったし」


「でも嫌がってはなかったんでしょ?」


「まぁ、やめてとは言われなかったけど…」





少しは近づけたと思ってたけど


そんなことなかったのかな





あの日、柊は本当はどんな気持ちだったんだろう


病気が進行してるって言われて


悲しかった?辛かった?






結局、柊は自分の気持ちを言わなかった


涙も見せず笑うわけでもなく


ただただ星を見ていたんだ






私は柊のことを支えたい


柊の心の拠り所になりたい


柊が我慢せずに泣くのも


お腹抱えて笑うのも


全部私の前がいい