君と見たい世界








あれからどれくらい時間が経っただろう


2人とも何を話すでもなく


手を繋いで星を見てる





後夜祭のバンドの演奏や


みんなのはしゃいでる声が


薄ら聞こえてくる








「俺もいつかこの星のどれかひとつになるんだよな」


「そんなの私もじゃん」


「俺の方が早いけど」


「そんなこと言わないでよ」






柊はもう死を受け入れてるのだろうか


私はね、勝手かもしれないけど


柊に生きて欲しいよ





「よし、じゃあ戻るか」


「そうだね。あっちも終わったみたいだし」





自然と繋いでた手が離れて


2人とも起き上がる






グラウンドを見ると


みんなが片付けをしていた






階段を降りていく


柊の後ろ姿を見ながら


本当にいなくなってしまうのかなって


信じられない自分がいた






さっき柊の手を握った時


私より大きくて少しゴツゴツしてて


温かくて優しかった






ちゃんと生きてるって


柊はここにいるんだって思えた