君と見たい世界






「何してるの?」


「星見てる」





そう言われて見上げてみると


満天の星空が広がっていた






「うわぁ、綺麗…」


「でしょ?みんなもったいないよな。こんな綺麗なもの見ずに、あんなうるさいのに夢中になって」


「確かにこれはもったいないね」





私も柊の隣に寝転んで星空を見る





「星、好きなの?」


「たまにこうやって見るんだ。空見てると色んなこと忘れられる気がするから」






そう言った柊の目は


今までに見たことの無いくらい冷たかった





「俺さ、この前病院行ったらまた進行してるって言われた」


「えっ…」


「生きるとか死ぬってなんなんだろうな」






柊が抱えてるものは


私が思ってる何倍も重くて苦しくて辛い


きっと私が一生かけて分かろうとしても


分からないと思う





「あっ、ごめん。こんなこと聞いて」


「ううん、大丈夫」





そう言うしかなかった


柊のこと全部は分からないけど


誰よりも分かりたいって思う





そんな気持ちを込めて


そばにあった柊の手を強く握った