君と見たい世界








「で、何があったの?あの柊くんって子と関係あるんでしょ?」






放課後、澪に屋上に連れてこられた


澪はいつもそう


溜め込みがちな私にいち早く気づいて


まとまりのない私の話をずっと聞いてくれる






「柊のこと知ったのは少し前なんだ」





それから私は今日のことまで全部話した


澪は「うん」と相づちを打ちながら


静かに私の話を聞いてくれた






「自分から聞いたくせに何も言ってあげられなかった」





話してるうちに涙が出そうになる






「どういう言葉をかけるのが正解とか分かんないよ、誰にも」


黙っていた澪が話し出した






「分からないから些細な言葉で傷つけたり、傷ついたりする」


「澪…」


「でも流花がこれだけ悩んでるってことは、それだけ柊くんのことを大事に思ってるってことだよ」






澪に話聞いてもらってよかった


ずっと心の中にあったモヤモヤが


少し溶けたような気がする






そして今たまらなく柊に会いたい





「澪、私…」


「行ってきなよ。会いたいんでしょ?」


「うん!ありがとう!」





かける言葉なんて分かんないけど


でも少しでもいいから顔が見たい