「柊のこともっと教えてよ」
「えー、じゃあ流花のことも教えて」
「いいよ」
それからたくさん話した
柊は一人っ子
バスケはそこそこ上手い
オムライスが好きでナスが嫌い
犬より猫派
「へぇ、流花には弟がいるんだ」
「そうなの。でも今絶賛反抗期中でさ、全然可愛くないの」
「男にはいろいろあるからね〜」
「なにそれ」
ふと時計を見ると
授業が終わる5分前
「もうこんな時間だ…」
「ほんとだね、戻る?」
「うん、柊は?」
「俺は今日はずっとここにいるよ」
今日体調悪いのかな…
さっきもベッドで寝てたみたいだし
「ねぇ、最後にひとつだけ聞いていい?」
「うん」
「柊は、何の病気なの?」
1年も生きられない
その理由はまだ聞いてなかった
でも今なら聞ける気がした
今なら言ってくれる気がした
