「…ねえ、また話聞いてないでしょ」
「…はっ…!いや、聞いてました聞いてましたとも…!案内ですよね!」
わたしだって、何度も話を聞いてないなんてことはない。
でも、あの笑顔はぜんぶ吹き飛ばしちゃうくらいの威力が…。
「よかった聞いてた。だからさ、一緒に帰ろ」
言葉と一緒に、わたしの手のひらが彼のそれに包まれる。
びっくりした。ドキッともした。…けど。
なんでだろう。ぜんぜん嫌じゃない…。
「……お名前は、」
「日向蒼(ひなたあおい)。ついでに春から高校三年生。よろしくね、有栖さん」
「…ふふっ」
そりゃあ、笑っちゃうよ。
まさかの同い年。
「ん?」
「わたしも一緒だよ、春から高校三年生」
彼の肩くらいにあった視線を、整った顔へと移せば、いつから見てたの。
ばっちり目が合った。
思わず、笑顔が溢れちゃって、。
「こちらこそよろしくね、日向くん」
わたしにつられて、日向くんも笑った。……かと思ったら。
「────…っ!?」
突然、真っ暗になった視界。
瞳を隠すものはあったかくて、日向くんの繋がれてない手のひら…?

