──────ぐっ。
「え、…」
歩き出した目の前のいけめんさんの腕をとっさに掴んで引き留めた。
ごめんなさい、驚いた顔してる。
でも、だってだって、
陽だまり団地に今日引っ越してきたって…、
「………1号棟…」
「え、」
「……さんびゃくななごうしつ…」
「…ストーカー?」
「ちがーう!!!!!」
失礼な。
でも、やっぱりそうなの?
この人が、雨宮さんの言っていた隣人さんなの?
ストーカーと勘違いされちゃったのは大誤算だけど…!
「わたし、306号室の有栖小春(ありすこはる)です…!」
「…俺、307号室なんだけど、」
なら、
「お隣さん……?」
やっぱり、この人が…、
──────「小春ちゃーんっ!」
「!?……、雨宮さん!?」
後ろから聞こえてきた、この声は、雨宮さんの…、
「ごめんね、匡平くんから小春ちゃんがわたしのこと探してたって聞いて……あら?」
わたしの影に隠れていた彼に気づいたらしい雨宮さんが、わたしと彼を交互に見つめる。
口元に手を当てる仕草がかわいい…、って、そうじゃなくて。

